アバディーン戦車博物館展示車輛この車輛はフィリピンにおいて米軍に捕獲されたもので、戦車第七連隊所属の車輛と思われる。この車輛は普通の乙型と思われていたが、アーマーモデリング誌に連載中の「帝国陸軍機甲部隊の塗装と識別」(創刊3号に掲載)にファインモールドの鈴木氏が戦車第七連隊史及び複数の元隊員の証言としてフィリピン攻略に参加した八九式中戦車は全車両がガソリンエンジン搭載の車輌であったと発表し一部の日本戦車ファンに衝撃を与えた(^_^;)。従来はガソリンエンジン搭載型を甲型、ディーゼルエンジン搭載型を乙型と称していたが、鈴木氏の発掘した証言では「中国大陸に展開していた戦車第一大隊、戦車第五大隊の車輌も車体形状の変化した後期車体であるにもかかわらず、ディーゼルエンジン搭載型ではなく全てガソリンエンジン搭載型であった」と述べられている。これにより従来の甲型、乙型の名称は搭載エンジンの種類で分けるのではなく、八九式中戦車の形状が大きく変わった昭和8年(昭和9年から外国人の目にふれたため九四式中戦車と記載している海外文献もある)以降を乙型とし、搭載エンジンの種類によって乙型(ガソリン)あるいは乙型(ディーゼル)と称すべきであろう。 |